ICT需要取り込み成長
製造業や金融業分野などで

　ICT市場は、引き続き堅調だ。当社の業績も増収増益基調で推移している。

　特に製造業分野が好調だ。SAP案件は、保守切れを控え、次期バージョンの「S／4 HANA」への移行が進み需要が拡大している。コンサルの体制も含め、案件をどうこなすかが課題だ。製造業のMESの需要が拡大。当社はMES製品「MELNAVI」を提供、非常に好調だ。

　三菱電機の各工場の業務DXに参画。ここで得たデータ利活用の知見をソリューション提案に生かしている。

　「スマート工場ソリューション　kizkia-Meter」は、三菱電機のAI技術を基に、当社が開発した映像解析ソリューション「kizkia」と、工場に設置するエッジPCなどの機器で構成、工場の巡回点検業務の効率化を実現できる。

　カーボンニュートラル推進の基盤は、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を効率的に見える化するクラウドサービス「cocono（ココノ）」も提供している。

　金融業分野は、拠点の統廃合、移動などに伴いセキュリティー、ネットワーク需要が安定している。業務の効率化、コンプライアンスの強化などの需要も活発だ。電話をかけるだけで、簡単に本人認証ができるクラウドサービス「電話発信認証サービスTELEO（テレオ）」や音声系では、Microsoft Teams録音サービスにZoom自動録音機能を追加した「Web 会議録音サービス nokos（ノコス）」を提供している。今後は、音声だけなく、感情分析もソリューションとして提供を考えている。金融業で培ってきた付加価値ソリューションをほかの業種や分野にも応用展開していきたい。

　サービス業向けでは、AIや赤外線センサーを活用した映像解析ソリューションなどによる新しい価値の提供を交通系、介護分野にも広げている。

　クラウド関連事業の強化では、スカイアーチネットワークスと共同出資で「クラウドセントリック」社を設立した。当社が開発した3次元計測アプリが「CES2024 イノベーション・アワード」を受賞した。

　24年度も、堅調なICT需要を取り込み、成長路線を目指す。また、三菱電機の「循環型デジタル・エンジニアリング企業」への変革にも貢献していく。

　1月からの本社事務所移転を機に、営業・技術・管理部門の連携を強化、より一層のサービスの向上を図っていきたい。