2024.01.18 【情報通信総合特集】ソリューションプロバイダー 24年の見通し・経営戦略 三菱電機インフォメーションネットワーク 本多孝司社長

ITインフラの構築を支援
新サービスの提供に注力

 2023年のICTの市場環境は、半導体調達難も一段落したほか、企業のDX投資も堅調に推移し、基幹系を含めたシステムの更新需要も活発化した。コロナの「5類」移行、電帳法など法令改正も追い風となった。また、生成AIも業務での活用が始まった。今後は、お客さまの業務の効率化を支援するビジネスへの活用も進んでくる。

 堅調な市場環境を背景に、当社の23年度業績も増収増益基調で推移している。

 セキュリティー関連は、引き続き堅調だ。当社は、MINDサイバーフュージョンセンターを開設、急増するサイバー攻撃などに対し、お客さまがこれまで以上に安全・安心にセキュリティーサービスを利用できる環境を整えている。

 昨今、お客さまのサイバーセキュリティーに対する危機意識は、非常に高くなっている。ハイブリッドワーク環境となったことで、クラウドをはじめ接続環境が増え、セキュリティー環境の整備が特に重要になっている。複数の拠点をソフトウエアで制御するSD-WAN、セキュリティーではゼロトラストに対応したSASE(サッシー)、ネットワーク全体の振る舞いを分析し、既知だけでなく未知の脅威にもリアルタイムに検知できるNDR(ネットワーク・ディテクション・アンド・レスポンス)の導入および運用を一貫して提供するサービス「マネージドNDRサービス」の提供を開始した。また、今後は工場の中のデータの流れを監視し、適切に対応するOTセキュリティー領域も本格的に強化する。

 経営環境の変化に対応できるITインフラのニーズに応え、次世代ITインフラ実現を支援する「ITインフラコンサルティングサービス」を提供開始した。お客さまの課題に応え、コンサルから構築、保守までトータルで支援するサービスとして商談が増えている。

 24年のICT市場も23年並みの3~4%の成長が見込まれる。クラウド、ネットワークの構築はますます高度化する。今年度は、自動でネットワークを制御し、監視する新たなサービスとして、三菱電機の研究所とも連携し、次世代NOC(ネットワークオペレーションセンター)への取り組みも開始する。

 当社の強みは、ICT環境の提案から構築、運用までワンストップで対応できるところにある。コンサルティングサービスを強化し、強固なITインフラの構築支援、新たなサービスの提供に力を入れていく。