2024.01.18 【情報通信総合特集】ICTベンダートップに聞く 24年の見通し・経営戦略 アイコム 中岡洋詞社長
60周年でさらなる飛躍
次のゴールは「100年企業」
今期上半期の連結売り上げは、第1・第2四半期とも、昨年に引き続き好調に推移し、前年同期の結果を上回った。特に第2四半期までの累計連結売上高は過去最高の180億9900万円となり、前年同期比10.7%増となった。円安効果もあり、営業利益は同88.3%増の16億100万円、経常利益は同56.6%増の24億7800万円となった。
今年は当社の60周年記念の年となる。節目にふさわしい年となるよう、これを記念した取り組みも進めている。60年間培った、企画力、設計力、生産力、グローバルなネットワークと販売力に磨きをかけ、さらなる飛躍を目指したい。
昨年5月に「中期経営計画2026」を発表した。この中で、60周年を迎えたアイコムの次のゴールは「100年企業」と示した。この目標に向け、従来のアイコムになかった取り組みにも挑んでいる。その一つが、各種のイニシアチブへの参画だ。
例えば、TCFD(Task force on Climate-related Financial Disclosures=気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同・同コンソーシアムへの入会やCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)への回答など、より社会的責任を果たせる企業となるべくESG経営への取り組みを強化している。ほかにも、人材確保を主目的に、昨年7月には株式取得によりマクロテクノスを完全子会社化した。
当社の特色であった「自前主義」にこだわらず、競争力強化を図ったものだ。さらには、ステークホルダーに当社をより知っていただくための取り組みにも力を入れている。機関投資家との積極的な対話や、各種メディアへの会社や製品の情報提供などが、業績も相まって株価に反映されつつあると感じる。中期経営計画2026に掲げた内容は、現段階では若干前倒しで実行できており、これらの取り組みを継続したい。
近年の厳しいビジネス環境の中でも、前期の売り上げは過去最高を更新した。
今期も既に業績予想を上方修正したところだ。強力なチームプレーでこの調子を維持できるよう、裏方・表方問わず、全部門に対して激励している。
期末には売り上げ記録を再度更新し、お客さま、全社員、全てのステークホルダーにとって盛大な成功となる記念の年となるよう取り組みたい。「100年企業」へ向け新たに出発する。