2024.01.17 「人間洗濯機」の現代版 〝元サンヨーマン〟率いるシリウス、寝たまま入浴できる製品で介護市場に参入
ベッドに寝たまま体を洗える
スティック掃除機や空気清浄機を手掛けるシリウス(東京都台東区)が介護市場に参入する。介護者の負担が大きい入浴を自宅でもしやすくする「switle BODY(スイトル ボディ)」を開発。掃除機に搭載する独自技術を応用した製品で、普段使っているベッドに寝たままでも入浴できるのが特徴だ。3月21日の発売を予定し、国内外で初年度30億円の売り上げを目指す。
「日本、台湾、中国の強みを生かした共同生産品。世界初の商品と認定された」。17日に東京都内で開いた発表会で、亀井隆平社長はこう胸を張った。
新製品は、カーペットなどの食べこぼしを水洗いしながら掃除機で吸い取れる専用ヘッド「switle」の技術を応用。シャワーヘッドのような先端から水を吹き出しつつ吸い取ることで、水が垂れるのを防ぐとともに、専用洗剤で体をきれいに洗えるようにした。持ち運びしやすい5.5キログラムの重さで、縦23センチメートル、横45センチメートル、高さ25センチメートルと小型。1人当たり1リットル程度の水で全身を洗える。お湯とボディソープが出せる製品において、国内外の介護用入浴機器とポータブルシャワーを対象にした第三者機関による調査で世界初の製品と認定を受けた。
亀井社長は元三洋電機出身。三洋電機は1970年の大阪万博で1台800万円(当時)する「人間洗濯機」を披露し話題に。開発した「switle BODY」をその現代版と位置付ける。価格は税込み18万4800円。今月末から2月にかけてベトナムや中国など海外での実証実験も始まる。国内外で3万台の販売を計画し、来年4月には介護保険の適用を目指している。
(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)