2024.02.06 【コネクター特集】コネクターメーカー各社、グローバル生産・開発体制拡充を推進

ヒロセ電機の東北アドバンスト・テクノロジーセンター完成予想図

新工場建設や拡張へ積極投資、新たな技術センター構築も

 コネクターメーカー各社は、今年も国内外で新工場建設や既存工場拡張、新たな技術センター構築に精力的に取り組む。足元のコネクター市況はやや弱い状況が継続しているが、各社は中長期でのグローバル需要増大への対応や、BCP(事業継続計画)対応強化、次世代有望領域でのイノベーション強化のための積極投資を推進する。

 コネクター各社の新工場建設や新工場棟増設の動きは、2017年頃から19年頃まで活発さが継続し、ASEANや中国を軸に、積極投資が実施された。同時に、国内外での試験・評価体制の増強や工場のスマートファクトリー化のための設備投資増強も進んだ。

 20年から21年前半にかけては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による先行き不透明感などを背景に、不要不急の投資を先送りする動きが一部で見られたが、21年後半以降は再度、設備投資への機運が高まり、21年後半から22年、23年と積極的な生産能力増強が進められた。

 足元のコネクター市場は、世界的なICT機器需要の低迷や設備投資需要の減速、産機市場での在庫調整長期化、中国経済停滞などにより、調整局面が続いているが、コネクター各社は、中長期でのコネクター需要の増大やBCP対応強化、地産地消ニーズの強まりへの対応などの観点から、24年から25年にかけても多くの企業が国内外で新工場建設や既存工場増設などを計画している。

 特に最近は、米中対立の激化を視野に入れたサプライチェーン強靭化(きょうじんか)や為替の円安対応、国内の自動車市場や産機市場向けの高付加価値製品の生産能力増強などのため、国内工場への再投資や新規の国内製造拠点建設などの動きも活発となっている。

 次世代自動車やAI(人工知能)関連、次世代半導体関連、脱炭素関連といった成長分野に向けたイノベーション強化のため、研究開発拠点の建設・拡充の動きも進んでいる。より高度なモノづくりを促進する、無人化製造ラインの研究開発や試験ライン導入などにも力が注がれている。

 ヒロセ電機は現在、生産技術開発拠点の「東北アドバンスト・テクノロジーセンター(TATセンター)」(盛岡市)の建設や、郡山新工場(福島県郡山市)を建設中で、ともに24年中の竣工(しゅんこう)を予定している。海外では、韓国ヒロセコリアでもR&D棟を増設し、今年秋口の稼働を予定している。また、22年10月には高度な制御技術を持つエー・ディー・ディー(盛岡市)の全株式を取得し、TATセンター設立に合わせて同社の人材を投入することで、生産設備におけるハードウエア・ソフトウエアの大幅な進展を図る。郡山新工場は、車載・産機を中心とする先端「モノづくり工場」として整備する。

 イリソ電子工業は、国内新工場の秋田工場(秋田県横手市)が24年末に竣工(しゅんこう)予定で、25年春には量産体制が整う。これにより、BCP対応を兼ねた、マルチ生産体制を確立する。23年10月には岩手県花巻市でイリソエンジニアリングの金型の新工場も稼働させている。同工場では成形の金型の加工と組み立てを行い、一部、金型設計も実施している。

 山一電機は、半導体テストソケットやコネクターの生産体制増強のため、佐倉事業所(千葉県佐倉市)の敷地内に第2棟建設を進めており、24年4月の稼働を予定する。第2棟は建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)で最高ランクを獲得し、「ZEB Ready」認証を取得した。海外では、フィリピン第3工場の建設を進めており、24年4月の稼働を予定する。