2024.02.05 北米のヒートポンプ市場に期待 脱炭素へ政権も後押し 「電化」余地大きく
ボッシュの製品
エネルギーへの関心が高まる中、北米でも建物の省エネ、脱炭素への関心が高まりつつある。バイデン政権が進めるインフレ削減法(IRA)での温暖化対策でも、建築物の「電化」普及が図られており、ヒートポンプ市場も拡大を予想する声がある。CES2024でも関連の訴求が相次いだ。
「アメリカの住まいを電化する条件は整っている」。独ボッシュのクリスティアン・フィッシャー副会長はこう強調した。再生可能エネルギーが拡大しつつあり、ヒーポン導入が加速されるとみる。
ヒーポンは従来、米市場では必ずしも浸透しておらず、同社独自の市場調査によれば、米国ではまだエアコンの方が多く販売されている。ただ調査では、米国とカナダの住宅オーナーの99%は、ヒーポンについて聞いたことがあるとしており、潜在市場は大きい。
一方で、北米ではアラスカのような寒冷地から、砂漠のあるような地域、陽光の降り注ぐフロリダなど、気候も多様なのが課題になる。調査では、全回答者の2割以上がヒーポンを所有しているが、地域に偏りがあり、所有率が高いのは、南東部の冬の寒さが厳しくない地域に集中。北中西部のような寒い地域では、所有率が6分の1~7分の1程度に下がる。
調査では、自宅の冷暖房に関する主な関心事として「コストと効率」を挙げる回答者が3分の2近くおり、この点を訴求できれば普及が進む可能性があるという。日系企業にも強みのある分野として今後、拡大が期待される。
(6日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)