2024.02.09 LSTC支援でラピダス後押し 経産省、AI半導体へ280億円

 経済産業省は9日、次世代半導体の新会社ラピダス(東京都千代田区)の研究開発を支える技術研究組合「最先端半導体技術センター」(LSTC、理事長=東哲郎ラピダス会長)に280億円を支援すると発表した。AI(人工知能)向け半導体などで2ナノメートルやさらにその先のノードの開発を後押しする。

 齋藤健経産相が閣議後記者会見で発表した。LSTCについて、「次世代半導体の研究開発の中核的役割を担う」と位置付けたうえで、AI半導体など2ナノやビヨンド2ナノの設計、研究開発を支援する方針を示した。

 齋藤経産相は「性能と低消費電力を両立させるAI半導体設計技術を通じて、2ナノに取り組むラピダスの需要創出が期待される。さらに、2ナノのさらに先の世代の最先端半導体に取り組むことで、ラピダスの持続的な競争力強化に資すると期待している」と述べた。

 ラピダスは2ナノの開発を米IBMの協力を得て進めており、LSTC側からの製造委託が見込まれる。ラピダスはベルギーのimec(アイメック)や、カナダのテンストレントとも協業しており、LSTCとも連携して国際的な枠組みで研究開発を進める見込み。

 LSTCはラピダスや物質・材料研究機構(NIMS)、理化学研究所、産業技術総合研究所のほか、高エネルギー加速器研究機構、さらに主要大学として、東京、東京工業、東北、筑波、名古屋、大阪、北海道の各大学が参画。ラピダスの研究開発を支えるため、2022年末に設立された。

 スマートフォンやモビリティーなどで、データを迅速に処理できて低消費電力のエッジAIの普及が見込まれる中、ラピダスとLSTCの連携で、こうした需要に応えていく構えだ。

(12日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)