2024.03.01 船井電機とカインズが提携、家電製品開発・販売などで相乗効果

調印式の様子(左からカインズ・吉井純人商品統括本部長、高家代表取締役社長CEO、船井電機・柴田代表取締役会長、上田代表取締役執行役員社長)

カインズと船井電機のロゴカインズと船井電機のロゴ

 船井電機は2月29日、ホームセンター業界のトップ企業であるカインズと包括業務提携契約に調印した。カインズオリジナルブランドを冠するAV機器を除く家電製品などの共同企画、開発、製造、販売、アフターサービスを協力して実施する。船井電機はAV機器に依存する事業構造からの脱却を目指し、事業ポートフォリオの拡大に力を入れており、今回の提携もその一環の取り組みとなる。

 カインズは、ホームセンターチェーンの経営を事業とする製造小売業(SPA)で、売上高は2023年2月期が5158億円、従業員1万3000人強の大手。商品に関わる全てのプロセスに〝カインズ社らしさ〟を徹底して追求するSPAとして、事業を拡大・発展させている。

 カインズは、オリジナルの家電製品開発に当たり、北米市場で日系メーカーとして液晶テレビの売上高トップクラス、かつ家電分野で強い価格競争力をもち、開発・設計からアフターサービスまで家電のモノづくりにおける経営リソースを有する強みを評価し、船井電機と業務提携することになった。

 カインズとしては今後、家電製品分野の売り上げ拡大に力を入れていく方針で、船井電機もAV機器に依存する事業構造改革に力を入れると同時に、同社としても国内の新たな流通販路の開拓につながる。この提携のシナジーを発揮して両社とも柱となる事業の一つとして成長を目指していく。

 カインズは、ブランドコンセプト「くらしDIY」を掲げ、くらしをもっと楽しくする価値ある商品・サービスを開発提供しており、今回の提携を機に、顧客の〝くらしの理想〟をかなえることを価値としたカインズらしい家電製品を順次投入していく。目下、両社で商品開発を進めており、なるべく早期に投入する考えだ。

 カインズの高家正行代表取締役社長CEOは「今回の業務提携を喜ばしく思う。この提携を機に、お客さまの〝くらしの理想〟をかなえるカインズらしい家電を、お手頃な価格で提供していくことはもちろん、新しい価値を訴求できる売り場づくりも加速していきたい」とコメント。

 船井電機の柴田雅久代表取締役会長は「国内ホームセンター業界トップのカインズと業務提携できたことは大変光栄に感じている。お客さま目線の新しい提案型の家電製品開発を目指されており、当社が長年培ってきたモノづくり力・アフターサービスで貢献できればと思う」とコメントした。

 船井電機・ホールディングス(上田智一代表取締役執行役員社長)では、経営戦略「ビジョン2023」を策定し、5年後をめどに連結売上高5000億円を目指し、事業ポートフォリオの拡大に力を入れる。

 重点事業領域としては①家電②美容/医療③リサイクル④オートモーティブ⑤デバイスーの五つを軸に成長を目指している。今回の提携は、家電領域における事業基盤固めの施策の一つとなる。