2024.03.05 おむつにカーボンナノチューブ 東レが新型センサー開発、スマホで排尿確認

開発した排尿検知センサー

 東レは5日、高性能半導体カーボンナノチューブ(半導体CNT複合体)を活用した、おむつに組み込む排尿検知センサーを開発したと発表した。おむつを直接視認することなく、要介護者の排尿有無を把握できる。

 試作した排尿検知センサー付きおむつを、介護施設に入居している要介護者に使用してもらい、排尿検知動作を実証した。今後さらに多くの実証を進め、2025年度中の実用化を目指す。

 同社はこれまで、独自の半導体カーボンナノチュ―ブ技術を使い、汎用フィルム上に水分の検出が可能なセンサーを作製、無線動作することを確認していた。だが、実際におむつにセンサーを組み込むと、人体や尿の水分の影響で無線通信ができない課題があった。

 今回、水分に強い無線通信方式の採用や、水分の影響を受けにくいセンサー構成の検討を行うことで、人体や尿の影響を受けずに無線通信を可能にする技術の開発に成功した。

 センサーはあらかじめおむつに組み込むことができ、介護者は現場で特別な作業もなく、通常のおむつと同様に使用、廃棄できる。おむつを直接視認せずにパソコンやスマートフォンなどで交換タイミングを確認できるため、おむつ交換回数の最適化や、おむつ使用量の低減につながる。

 さらに、センサーの組み込み方を工夫することで排尿をリアルタイムに検知し、データの蓄積や活用を行うことで排尿タイミングを予測し、トイレへの誘導を行うなど自立支援へ向けた取り組みへの活用も期待できる。

(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)