第99回「放送記念日記念式典」が15日、東京都渋谷区のNHKホールで開かれた。

　あいさつしたNHKの稲葉延雄会長は、2024年度からの中期経営計画にふれ、「新聞や民間放送など多様なメディアと切磋琢磨（せっさたくま）しながら民主主義の基盤である多角的な視点を確保できるようにし、日本や世界の民主主義に貢献していきたい」と述べた。

　式典では放送事業の発展、放送文化の向上に功績があった人に贈られる「第75回（23年度）日本放送協会放送文化賞」の贈呈も行われた。

　本年度の受賞者は、砂防行政の前線で災害対応や政策立案に当たった山梨県富士山科学研究所客員研究員の池谷浩さん（80）ほか、特殊メイク・スーパーバイザーの江川悦子さん（70）、元沖縄放送協会会長の川平朝清さん（96）、俳優の草刈正雄さん（71）、詩人の谷川俊太郎さん（92）、民俗研究家の結城登美雄さん（78）の6人が選ばれ、ブロンズ像と副賞が贈られた。

　受賞した池谷さんは「すばらしい番組を作り続けることで災害被害が少しでも減ることを願っています」。草刈さんは「自分は芝居を楽しめるタイプではなかったけれど、これからは楽しみながら、もう少し俳優を続けたい」とお礼の言葉を述べた。

　放送記念日は1925（大正14）年3月22日にNHKの前身、社団法人東京放送局が日本初のラジオ放送を開始したことに由来し、NHKが43年にこの日と定めた。

（19日付電波新聞、電波新聞デジタルで詳報します）