2024.03.22 【九州・山口産業特集】DELIA 次世代EMS基盤構築に加えエネルギー教育にも力

中村 代表理事

 DELIA(データサイエンスによる分散エネルギー情報基盤アライアンス、福岡市早良区)は、これまでの次世代EMS(エネルギーマネジメントシステム)プラットフォーム「HyperDeMS」構築に加え、最先端のエネルギー教育にも力を入れていく。

 EV(電気自動車)充電に太陽光発電を活用するローカルVPP(仮想発電所)の実証は、戸建て住宅でEVのリーフやサクラも使い、PV(太陽光発電)、蓄電池、EVをシームレスにつなげる最小単位のマイクログリッドで継続したデータを積み上げている。

 基盤技術であるHyperDeMSは、電力のやりとりを改ざんしない形で記録に取るマイクロチェーンを活用。これまで蓄積してきた記録を分析するためにデータサイエンスが必要なことから、データサイエンスやAI(人工知能)の基礎などの講座も実施している。

 中村良道代表理事は、ハード、ソフトに加え、最近は無料の自動生成ツールなども出てきたことから「うまく駆使しながら、新しいEMSや人材育成に向けたアプローチができる時代になった。今後は今まで資産として残ってきたものを、いかにビジュアル化するかが最も大事」とし、MBSE(モデルベースシステムズエンジニアリング)を活用して、これまで作成したHyperDeMSを分かりやすく見える化を図っていく。

 これからはEMS作成が5割、エンジニア教育が5割と、人材を育成にシフトしていく。そのためのツール作り、カリキュラムでは、MBSEを使用してエネルギー開発・設計ができるように組みたいと考えている。

 電気学会では「ローカルVPPとデータサイエンスによるエネルギーパラダイム革新技術調査専門委員会」が立ち上がり、中村代表理事が委員長を務める。総合電機、自動車など製造業や通信、電力会社など20社近くが参加し、注目度の高さが現れている。

 DELIAでは、今後「会員というより、一緒にプロジェクトやるような感じで組織を強くしたい」(中村代表理事)と、EMSと、社会に合った独自カリキュラムをつくっていく2本立てで活動を展開する。