ニチコンは、品質、コスト、納期、サービス、技術などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営を展開。製造2社2工場、販売6社9拠点、開発1拠点を有する中華圏でもコトづくりをキーワードに、顧客の期待を超える製品・サービスを提供。創造業として市場シェアを拡大する。

　尼吉康電子（宿遷）有限公司（江蘇省宿遷市、南出智嗣董事長）も導電性高分子アルミ固体電解コンデンサー、xEV向けインバーター平滑用フィルムコンデンサーのグローバル供給体制を増強し、顧客需要に迅速に対応する。

　南出董事長は「前年後半から落ち始めた両コンデンサーの受注が旧正月明けから少しずつ増えてきた。本格的な需要回復に向けてQCDS＋技術にスピードを重視し、顧客の要望にしっかり応えていく。xEV向けフィルムコンデンサーは、2025年度以降の需要増に備え生産能力倍増を図る」と話す。

　導電性高分子は22年度を100として23年度115に増産。24年度は116に増やす。フィルムコンデンサーも22年度の100に対し23年度86となったが、24年度は291まで一気に引き上げる計画だ。23年のフィルムコンデンサーの治具搬送の自動化に続き、24年は導電性高分子の外観検査の2割を目視からカメラの自動検査に切り替え、2工程を1工程にするなどの省人化を進める。

　南出董事長は「競争力のあるモノづくりで中国国内にある台湾系EMSへのパソコンマザーボード、ゲーム機、ACアダプター、充電器向け導電性高分子の出荷を伸ばし、xEV向けフィルムコンデンサーは中国、欧米向けに東南アジア向けを加えイーアクスル、インバーター用のシェアを上げる」と言う。

　太陽光発電パネルを23年5月に導電性高分子工場棟の屋根に設置。5月にはフィルムコンデンサー棟と倉庫の屋根にも設置し、オンサイトPPAによる再生可能エネルギー電力で工場使用電力の16％を賄い、環境にやさしいモノづくりを推し進める。