2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】南通意力速電子工業有限公司 イリソ電子工業 自動化・省力化で生産性を高める
南通工場の外観
イリソ電子工業は、上海工場に次ぐ中国2番目の生産拠点として開設した南通工場(江蘇省南通市、吉河雅司総経理)で高度なモノづくりを展開している。「スマートファクトリー」をコンセプトに、徹底した自動化・省力化による付加価値の高い生産を実施し、生産規模を拡大している。
南通工場「南通意力速電子工業有限公司」は、2018年2月に操業を開始。敷地面積3万7963平方メートル、延べ床面積2万6327平方メートルで、同社グループの海外工場では最大規模。従業員数約280人。
同工場は、プレス、成形、めっき、組み立までのコネクター一貫生産体制を構築済みで、組み立て工程はオールクリーンルーム化。生産品目は、車載用のFPCコネクターやフローティングBtoBコネクター、アミューズメント機器用コネクターなどが主体。23年度からは、車載用の0.4ミリピッチBtoBコネクターや0.4ミリピッチFPCコネクターも量産開始した。
吉河総経理は、「茨城や上海からの設備移設や新製品立ち上げにより、生産を拡大している。24年からは、Z可動フローティングコネクター『Z-move』も生産する。従業員数はここ数年は横ばいで、自動化や省力化で生産性を高めている」と話す。
近年は特に中国の有力EV(電気自動車)メーカーや電池メーカー向けで実績を上げている。23年度(24年3月期)売り上げは前期比約10%増となる見込み。さらに24年度は「約3割増を見込む」(吉河総経理)。
組み立ては全て全自動。プレス工程では自動巻き取り機導入に加え、画像検査機を連動させて全量検査を実施。AGV(自動搬送車)による搬送無人化も推進。省金めっきも推進する。23年末には「電力監視システム」を導入し、同システムを活用した省エネ・節電施策の検討を進める。工場への太陽光パネル設置も完了した。
吉河総経理は、「引き続き、原価低減、コスト削減を進める。24年度には25年以降に向けた新製品も立ち上がるため、しっかりと取り組む」と話す。