2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】岡本無線電機 ローカライズ促進と新規開拓に力

猪口 総経理

 岡本無線電機は、中国で三つの拠点を展開している。その一つの上海奥拓利電子有限公司は2000年11月に拠点を開設。今年で24年を迎える。拠点ではスタッフ15人が活躍している。

 主に、日系企業のフォローだけでなく、ローカル企業の新規開拓などを推進する。

 上海奥拓利電子有限公司の猪口大介総経理は、現職に着任して3年を迎えようとしている。「着任直後はロックダウンの影響で動くことが難しかったが、現在は活動をスムーズに行える」と猪口総経理は話す。

 23年4月から24年3月までの通期の実績見通しは、取引先の過剰在庫の問題や中国経済の景況感の悪化から落ち着いた状況が続いているという。

 一方で、来期以降のビジネスは増収を見込む。今年の秋以降は過剰在庫の調整が一巡する予定で、売り上げは前年の2割アップの計画。

 猪口総経理は「既存のビジネスに加え、新規の案件もあり設備機器向けや新しい分野のビジネスも動いている」という。

 現地ではAI(人工知能)や医療、環境、グリーンエネルギーをキーワードにビジネスが動いているという。その技術革新を担うのは、岡本無線電機が扱う電子部品やその技術。足元では医療向けのビジネスが好調に推移しており、また、一部コンシューマー向けの設備機器向けのビジネスも順調。

 FA向けで自動化などのニーズが高くなっており、関連する製品のビジネスが動いている。

 岡本無線電機では、国内向けにAutomotive、Medical、Environmentの3分野に加えRobot分野への取り組みを強化しているが、この動きを海外でも展開。特に上海では車産業が活発なことで自動車向けのビジネスを拡大。来期から上海奥拓利電子では、機能別の取り組みを強化する戦略。既存の顧客拡大と新規開拓する部隊に分けて取り組む。

 同社では、30年に上海の事業規模を現状の1.8倍に拡大する目標を掲げている。

 猪口総経理は「ローカライズの促進と新規開拓、4分野の拡大を推し進め、顧客に対して新たな提案ができるようにしたい」と話している。