2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】RYODEN 競争力のある台湾メーカーを開拓
鬼崎 総経理
RYODENは、東アジア戦略局として中国(上海、大連、成都、深圳、広州、合肥、厦門)、香港、韓国に拠点を設け、台湾菱商股份有限公司も同戦略局に属する。同社は「事業創出会社への変革」を掲げている。台湾の拠点は2010年2月の設立以来、事業創出を担ってきた。
鬼崎倫明総経理は「日系のお客さまがほとんどいない中で進出した経緯があり、競争力のある台湾メーカーの開拓がメイン。半導体やデバイスに加え、材料、設備、モジュール機器など幅広く開拓している」と説明する。
ADAS(先進運転支援システム)やEV(電気自動車)関連ではカメラ、充電関係設備・機器で台湾商材の日本向け販売は増加。産業関連は台湾系サーバー、産業用パソコン(PC)が堅調。IoT関連では台湾製機器にクラウド管理、保守メンテナンスを含めた商談が増加している。
台湾菱商の23年の売り上げは前年比で約20%増加。24年計画では売り上げを保守的に見ており、利益率の向上を図っていく。
同社は各拠点の連携体制の構築・強化を推進。中国企業は東南アジアで工場建設の動きがあり、東南アジア戦略局と連携しサポート。台湾菱商は台湾企業の東南アジアへの工場移設にもビジネスチャンスを探る。東南アジアや北米市場の同社拠点と連携し、台湾商材の販売拡大も担う。
台湾ではPC、スマートフォンなどの情報通信製品はコロナ特需が収まったが、サーバーや半導体関連への投資需要は旺盛だ。一方、懸念材料は中国企業の成長による台湾企業の優位性低下だ。
鬼崎総経理は「中国は半導体や車載用関連機器などでレベルの高い企業が増えている。当社は汎用(はんよう)品だけではなく、お客さまの課題に対して台湾の製品やソフトウエアなどを組み合わせ、モジュール化を施して提供したい」と説明。従来以上に付加価値の高いソリューションを提案し、事業創出を実践していく。