2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】カナデン 日系企業の現地シェア拡大を支援

甲斐 総経理

 カナデンは、エレクトロニクスソリューションズ・カンパニーとして、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に国内だけでなく、海外でも中国・東南アジアを中心に事業を展開している。カナデン国際貿易(上海)は天津、深圳に分公司を置き、カナデン(香港)とも連携を図りながらFAシステムや半導体・デバイスを主力に事業を展開。日系企業を軸に中国ビジネスの拡大に取り組んでいる。

 カナデン国際貿易(上海)の甲斐繁樹総経理は「中国経済の市況は全般的に厳しく、景気の復調は年内いっぱいかかるという意見も多い。日系の製造業では日本や東南アジアへの工場移管を考えているお客さまと、中国でシェアを持ち現地で開発・生産を強化していくお客さまに大別される。後者をサポートしながらビジネスを拡大したい」と話す。

 FAシステムビジネスでは、三菱電機製を主体にコントローラーや制御機器、インバーター、サーボなどを提案。パートナー企業と連携し、エンドユーザー向けに省エネ・自動化ソリューションの提案も行う。

 半導体・デバイスビジネスでは、中国の電子部品の仕入れ先を増やしてビジネス拡大を進めている。これまでも中国商材を発掘しており、中国リレーメーカーのトップ企業である厦門宏発電声(福建省)の製品を取り扱ってきた。今後は各種センサーのサプライヤーの発掘に力を注ぐ。

 一方、東南アジアへの工場移管を検討する顧客をサポートするのも重要な仕事。同社の東南アジアの拠点と連携を取りながら顧客に情報の提供を行う。

 甲斐総経理は「中国に拠点を置く日系メーカーはコロナ禍、半導体や部品の供給難を経て中国系の部品を使うことに対して考え方が変わった。日系商材を取り扱うのは当然だが、中国系の仕入れ先を強化する。BCPの観点もポイントになる。中国だけでなく、東南アジアなどにも工場を持つサプライヤーを紹介していきたい」と展望する。