2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】サンワテクノス 台湾のさらなる現地化を推進
内山 董事長兼総経理
サンワテクノスの台湾法人「台湾珊華科技股份有限公司」(台北市)は、電子部品の輸出入販売や、電機品・機械設備の販売・技術サポートなどを行い、日系進出企業やローカル顧客向けに付加価値の高いサービスを提供している。
同法人は1998年設立の合弁会社を経て、2001年に同社の全額出資子会社として設立。当初は電子部品販売中心だったが、その後、機械設備販売強化のため、06年に台南事務所(台南市)を開設。14年には台湾ローカル顧客開拓強化のため、台中事務所(台中市)も開設した。台中では技術センターも併設している。従業員数は計32人。
同法人は設立以降、徐々に売り上げ規模を拡大。電機部門では、現地のEMSや半導体製造企業などの自動化設備向けに安川電機製品の販売を行い、現在は電機部門の売上比率が約4割を占める。
内山和也董事長兼総経理は、台湾の優位性について「半導体製造の拠点で、欧米とのコネクションも強い。これにより半導体を使用したパソコン(PC)関連製品の開発スピードが加速している。環境分野にも政府が積極支援している」とし、今後の販売戦略について「さらなる現地化を推進する。起業の精神を持って現地顧客の開拓を進める」と話す。
台湾国内販売は、半導体製造での自動化設備への販売を安川電機との協業を強化して進める。環境エネルギー分野への販売、AI(人工知能)サーバーやクラウドサーバーなどへのCPU大容量化に向けた開発機器販売にも注力。海外向け販売は、本社PCイノベーション部との連携による産業用PC販売や、台湾自動化設備販売などを強化する。ローカル仕入れ先開拓も進める。
今後の見通しについて内山董事長兼総経理は「実力としての電子部品販売は24年度下期から上がってくるとみている。25年以降も売上を伸ばしていく。特にAIサーバー関連は24年下期からの立ち上がりが指摘されているため、その流れに乗っていきたい」と話す。