2024.03.25 IoTセンサーに無線給電システム エイターリンクが開発

無線送電機「PowerTx-C」

受電機一体温湿度センサー「Sence-T」受電機一体温湿度センサー「Sence-T」

データオーガナイザー「Summit」データオーガナイザー「Summit」

 左からエイターリンクの岩佐凌CEO、田邉勇二CTO(21日、東京) 左からエイターリンクの岩佐凌CEO、田邉勇二CTO(21日、東京)

 ワイヤレス電力伝送(WPT)のエイターリンク(東京都千代田区)はオフィスや工場に通信機能つき温湿度センサーなどを置き、無線給電するシステム「AirPlug(エアプラグ)」を4月1日から一般販売すると発表した。センサーにバッテリーや配線が不要で導入が容易。

 エイターリンクは、トヨタグループ向け自動運転要素技術の開発に参画した商社出身の岩佐凌CEO(最高経営責任者)と米スタンフォード大学助教として無線給電式の超小型ペースメーカー開発に携わった田邉勇二CTO(最高技術責任者)が2020年設立。

 エアプラグは天井に設置する送電機、壁や卓上に配する受電機と一体のセンサー、センサー情報を集約するデータオーガナイザーなどで構成する。各装置はBLE方式の近距離無線通信などで接続し、データオーガナイザーからビル管理システムなどと連携する仕組み。

 エイターリンク、竹中工務店、三菱地所、三菱電機の4社による1年間の合同実証実験では空調関連の電気使用量を約26%削減。三菱地所の平口慶幸xTECH(クロステック)運営・ビジネス開発支援ユニット統括は「電気代を下げるだけでなく、レイアウトが頻繁に変わるスペースではゲームチェンジングな技術」と評価した。

 エイターリンクの岩佐CEOは今後、衛星を使った送電も検討する。「2030年以降に実証実験を始め、4年程度で実装したい」と意気込み、宇宙産業との協業も視野だ。(26日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)