2024.03.25 大同特殊鋼が真空浸炭炉に浸窒機能追加 CO₂の低排出・省エネ実現
モジュールサーモの外観
大同特殊鋼は、真空浸炭炉「ModulTherm(モジュールサーモ)」に浸窒機能を追加し4月から販売する。2030年までに新設・既設で20基を販売する計画。自動車の電動化に伴う部品の高強度化ニーズに対応するとともに、CO₂の低排出と省エネでカーボンニュートラルの実現に貢献する。
ギアなどの自動車部品の金属表面の硬化を目的として炭素を侵入、拡散させる真空浸炭処理を行う設備として08年に投入したモジュールサーモに、浸炭と同じく金属表面の硬化を目的に窒素を侵入、拡散させる「浸窒処理」を連続的に行う機能を付加し、さらなる高強度化に対応する。
同技術は①CO₂低排出、省エネルギー②浸窒濃度シミュレーション③安全などが特徴。環境性能に優れたモジュールサーモでの浸炭浸窒処理により、主流だったガス浸炭炉よりも省エネルギー化を図った。また、ガス浸炭炉と比べてCO₂排出量を35%削減した。
従来搭載されていた、狙った浸炭層を得るための熱処理条件を容易に導き出す浸炭シミュレーションソフト「浸炭くん」に加え、浸窒層のシミュレーション化も実現。狙った浸炭浸窒層を得るための熱処理条件を容易に決定できる。(26日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)