2024.03.27 【関西エレクトロニクス産業特集】大和無線電器 スタジオ活用でヒット作り 情報発信力を強化へ
本社機能が入る新ビル
大和無線電器は昨年、本社機能を大阪浪速区のデンキョーグループホールディングスの新本社ビルに移した。グループ企業との連携や情報共有強化、スタジオ機能などを活用した情報発信力の強化を図り、事業を推進する。
今期は家電部門で、季節商品などが苦戦したが、理美容健康関連商品が順調に推移した。高額のドライヤーやヘアケア関連商品が売れた。単価がアップしており、SNSなど口コミで広がりを見せた。
電子部品部門は、第1四半期までは順調に推移。以降は取引先の在庫調整などで落ち着いた状況が続いた。一方で、装置向けやセット商品向けの新たな案件が動いており、来期につながる動きが強まっている。
今期は、新たな取り組みにも挑戦。今年に公開予定の映画「eスポーーーーツ‼ リアルタイムバトル将棋EDITION」に協賛。
本社7階のスタジオをスチール写真の撮影箇所に提供したほか、映画中には同社の扱う炭酸水ソーダマシン「ソーダスパークル」が登場する予定だ。
ほか、昨年には防災関連の展示会にも出展。そのつながりから、能登半島地震に被災地に家電製品を納めるなど関連への取り組みを推進した。
来期は家電部門で新しい商材などを発掘し、スタジオなどを活用して次のヒット商品を作り出す活動を推進する。これまでになかった商品カテゴリー開発やメーカー、グループと連携した事業活動を推し進める。ECとリアル店の強みを生かした連携強化策に取り組む。
電子部品部門は、単品だけでなく、モジュールとして商材を提供できる体制を構築。カメラ、センサーなどの新規商材の開拓、BtoB関連の提案強化を推進し、仕入れ先との関係構築に取り組む。
坂本賀津也社長は「家電は健康や防災がテーマ。防災はアウトドアなどとも連携し、新しい切り口のテーマとして提案したい」と語った。