2024.04.08 「エコーネットライト」と「マター」 日本のスマートホームでは混在 三菱電機のIoT家電戦略、キーマンが語る

石原センター長(右端)も出席した石川県能美市の発表会

三菱電機のスマート家電戦略をけん引する石原センター長三菱電機のスマート家電戦略をけん引する石原センター長

 三菱電機が、国内の大手家電として他社製品との相互接続といったオープン化の動きを強めている。スマートホームや家電のIoT化などを推進する「IoT・ライフソリューション新事業推進センター」の責任者である石原鑑氏に、三菱が目指す方向性を聞いた。

 ―家電のIoT化に関する方向性は。

 石原センター長 当社は、IoT基盤「リノバ」と専用アプリ「MyMU(マイエムユー)」を軸に展開している。(家電や空調などを所管する)「リビング・デジタルメディア事業本部」とも連携できるようバックエンドの業務システムも整いつつある。家電のIoT化に関し、統合的な循環サービスを提供できる足場固めは進んでいる。

 こうした基盤を生かし、今後は社外のサービスや機器をつないでいく。昨年10月には、石川県能美市やシャープなどとIoT家電を使った見守りサービスの提供に向けて協力することを発表した。

 ―家電のIoT化ではオープン化がカギを握りますか。

 石原センター長 クラウド環境の整備が急速に進み、技術的にも進歩している。オープン化を進めやすくなっている半面、どうマネタイズするかが重要。単独でのマネタイズも追求していくが、オープン化の視点は欠かせない。“キラーアプリ”のようなものも追求しなければならず、MyMUも拡張していく。条件を入力することで他機器と連携して動作するオートメーション機能など継続的にアップデートしていく。

 ―スマートホームの通信規格として本命視される「Matter(マター)」をどう見ていますか。

 石原センター長 当社の家電でいつでも対応できるよう準備は進めている。ただ、今すぐ対応するのではなく、まだ様子見といった状況だ。国内では(家電や住設機器の通信規格)「エコーネットライト」に対応した機器も多く、マターとエコーネットライトの両規格が混在したハイブリッドな状況になると見ている。

(9日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)