2024.04.10 PFU、リサイクル事業参入 産廃分別AIエンジン開発

スキャニング技術を応用した資源ごみ自動分別の仕組み

リサイクル事業に参入したPFUが提供を始めた資源ごみAI自動選別機リサイクル事業に参入したPFUが提供を始めた資源ごみAI自動選別機

 スキャナー大手のPFUがリサイクル事業に参入した。世界トップ級の光学・画像処理技術を応用して、AI(人工知能)が廃棄物の分別を自動化する「廃棄物分別特化AIエンジン」を開発。第1弾として、瓶の色選別を自動化する資源ごみAI自動選別機を10日、市場投入した。

 資源ごみは集積所から中間処理施設に運ばれて分別作業が行われるが、全国約3000カ所ある同施設では慢性的な人手不足を抱える上、リサイクルのために種類別・素材別の選別作業が複雑化している。ペットボトルは風力、スチール缶は磁力、アルミ缶は過電流の選別機で分別できる一方、瓶は透明、茶、緑といった色選別も求められ機械化が難しく、自動選別機は普及していないのが現状だ。

 10日から提供を始めた資源ごみAI自動選別機「Raptor VISION BOTTLE」は、ベルトコンベア上を流れてくる瓶をカメラで撮影し、茶色、透明、その他の瓶、ペットボトルを識別し、ピッキング位置を特定してロボット側に通知することで分別する仕組み。ピッキング作業はパートナーの工作機械メーカー、高松機械工業のロボット機器が行う。

 PFUは選別自動化に向け、複合照明と特徴融合認識、禁忌品認識の3つの技術を組み合わせることで、瓶のラベルや汚れがあっても、人と同等以上である99.8%の認識精度で色ごとに分別できる技術を開発した。

 今後、リチウムイオン電池検知や産業廃棄物の再資源化を支援するシリーズ製品も立ち上げ、2035年度に60億円の売上を目指す。(11日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)