米グーグルは11日、日本へのインターネット回線の拡張に約1500億円（10億ドル）を投資し、新たに2つの海底ケーブルを敷設すると発表した。日本と北マリアナ諸島自治連邦区（CNMI）、グアムをつなぐルートと、日本とハワイを結ぶルートで、いずれもNECの協力で構築する。

　2022年10月に発表した日本デジタル未来構想の一環で、北米大陸と日本の間に新たな光ファイバーケーブルを配設することで、北米と日本、複数の太平洋諸国のデジタル接続の信頼性と可用性を高めるのが狙い。

　日本と北マリアナ諸島、グアムを接続するルートは「Proa」と名付けられ、三重県志摩市でケーブルを陸揚げする。これにより、台湾とフィリピンを結ぶルート「TPU」 はCNMIに延伸され、同諸島初の国際海底ケーブルとして、日米の間に新たなルートとなる。

　日本とハワイを結ぶケーブルの名称は「Taihei」で茨城県高萩市で上陸。23年5月に発表した北米からフィジーとオーストラリアを経由する「Tabua」はハワイまで延伸され、日米の複数拠点を結ぶケーブルになる。

　プロジェクトにはKDDIや電気通信事業のアルテリア・ネットワークスなども参画する。