2024.04.15 中国に4100億円投資 EVの生産・開発体制を強化 フォルクスワーゲン
VW の中国・合肥工場
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が、中国・合肥工場(安徽省)に25億ユーロ(約4100億円)を追加投資し、生産と研究開発(R&D)体制を強化することを決めた。合肥工場は同社の中国戦略の拠点になっており、工場の近代化や地場企業との関係強化などで、「中国では中国のために」をスローガンに顧客の意向を取り入れた車種を投入していく構えだ。
今年中国進出40年の節目を迎えたVWグループで、中国担当ボードメンバーのラルフ・ブランドシュテッター氏は、現在VWでは中国で39工場、従業員は9000人を擁し、グループのブランド車は5000万人に愛用されていると語った。地場企業との合弁事業も順調に推移してきたという。
同社のこれまでの成功には上海汽車集団(SAIC)や中国第一汽車集団(FAW)との合弁事業が寄与しているが、これからは地場のスタートアップとの協業も必要との考えだ。具体的にはVWが昨年夏、約5%出資した小鵬汽車との共同開発により、VWブランドの2車種を2026年から中国市場向けに生産開始する。小鵬汽車との共同開発とは別に、30年までには電気自動車(EV)30車種以上を生産したいという。
これら30車種以上はすべて中国向け。開発の中核になるのが合肥を拠点とする100%出資の子会社VW中国科技(VCTC)。VCTCは中国向け専用車のプラットフォーム「CMP」を開発中だ。30車種のうち少なくとも4車種はCMP活用でコンパクトクラスのエントリーレベルEVにする計画だ。
研究開発では合肥のR&Dセンターを強化することで、将来的には現在より30%開発期間を短縮。早期に市場投入できる開発体制の構築に加え、中国の消費者の要望に特化した車種の開発を優先する。
R&Dセンターとしては、合肥はドイツ以外で最大の規模という。