2020.05.04 東芝が来月にも製造現場に週休3日制導入 新型コロナ感染リスク最小化へ約1万人対象

 東芝は、国内の製造現場を対象に週休3日制を導入する方針を決めた。労使交渉を経た上で、早ければ6月から運用する。週の所定労働時間を変えず、1日の労働時間を増やす。新型コロナウイルスとの長期戦に備え、従業員の感染リスクを最小限に抑える取り組みを強化する狙いだ。

 週休3日制の対象は、約7万6000人の同社グループ全従業員のうち、工場の製造現場などで働く約1万人。政府が6日に期限を迎える緊急事態宣言の延長を決める中、グループ全体で感染拡大の防止に努める。 

 具体的には、1カ月の所定労働時間(約160時間)分勤めれば、出社する日数によらず、給与が満額支給されるようにする。加えて、営業や研究開発など幅広い職種で出社の機会を減らすため、就業のコアタイムを設けない「完全フレックスタイム制」も6月以降に採用する。大容量の設計データを頻繁に扱う技術者らの在宅勤務には限界があり、職種で異なる事情を踏まえたという。

 既に同社は感染防止の一環で、工場を含む国内全拠点を対象に4月20日から今月6日まで原則休業することを決定した。営業再開は、当初予定通り7日。再開後も、製造現場を除く従業員の「原則在宅勤務」などの措置を続けるという。

 休業措置により、出勤者の比率は休業期間中の平均で休業前の6割から2割弱に低下した。同社は、休業中も社会インフラに関わる稼働は継続しており、今後とも出勤者を抑えながら感染防止と事業継続を両立していく方針だ。

(電波新聞紙面では6日付に掲載します)