2024.04.22 ソーラーフロンティアと宮崎大、太陽光発電の主力電源化へ 産学連携第1号、ソーラーカーポート稼働開始

共同研究がおこなわれる宮崎大学木花キャンパス。手前は 2月から稼働開始したソーラーカーポート

 宮崎大学とソーラーフロンティアは4月から、太陽光発電の主力電源化に向けた共同研究を始めた。学内に開設したGX研究センターでの産学連携の第一号案件となる。

 研究期間は29年3月31日まで。研究テーマは①系統の需給安定化に資する発電量予測の多様な設置方法への拡張および精度向上②発電所の長期安定利用に向けた発電所評価解析の高度化と太陽光パネルリユース基準の策定③ 設置場所の限界を解決する太陽光発電システムや設置方法の研究開発と社会実装に向けた検証など。

 同社と親会社の出光興産、同大は2月から、オンサイトでキャンパス内に設置された太陽光発電としては国内最大級となる3.8MWのソーラーカーポートを稼働。木花キャンパスの649台、清武キャンパスの943台と駐車可能台数を減らすことなく敷地を有効活用している。木花キャンパスの使用電力量を約23%、清武キャンパスの約16%まかない、大学全体で年間約1400トンのCO₂排出量が削減し、直近の電気料金単価より安価で電気調達できる見込み。EVへの充電もできる蓄電システムを併設し、非常用電源としても活用する。

 宮崎大学GX研究センターの西岡賢祐工学部教授は「太陽光の主電力化には、新たなアプリケーションの開発や、環境に配慮した設置形態、リユース・リサイクル手法の探索が必要。両者の知見や経験を生かし、課題を解決したい」とカーボンニュートラルに貢献していく。

 ソーラーフロンティア の白間英樹ソーラーラボ所長は「07年にCIS薄膜太陽電池が設置されて以来のご縁。その後もリサイクル技術の研究開発などに取り組んできた。研究成果が社会実装につながるようスピード感を持ち取り組んでいく」と力を込めた。(23日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)