2024.04.25 グループ初の技術開発センター 24日に開設 半導体事業を加速、太陽HD

フィルムコーティング室

新技術開発センターの外観新技術開発センターの外観

 太陽ホールディングス(HD)グループの太陽インキ製造(埼玉県嵐山町)が、グループ初の技術開発センター「InnoValley(イノヴァリー)」(嵐山町)を24日に開設した。半導体関連材料のグローバルな技術開発力の強化につなげ、事業の成長を加速させる狙いだ。

 太陽HDは、プリント基板の表面を保護する絶縁材のソルダーレジスト(SR)の世界トップメーカー。太陽インキ製造は、SRなどのプリント基板用部材をはじめ、電子機器用化学品の開発・製造・販売を担う。

 イノヴァリーは、地上6階建て延床面積約1万400平方メートルの規模で建設。低層(1~3階)がラボ、高層(4~6階)がオフィスというエリア構造だ。

 ラボエリアでは、材料室や実験室の行き来をスムーズにした回遊式動線を確保。新たな分散装置と試作塗工機を施設内に設置したことで、評価用サンプル作製までにかかる時間を従来の約3分の1に短縮した。露光機やラミネーターなどの各種最先端設備を導入したことで、SRや半導体関連材料をはじめとする基板周辺材料の開発・製造・評価までが可能になった。

 オフィスエリアは、固定席に加え、次世代型オフィスデザイン「ABW(Activity Based Working)」を2フロア設けた。エントランスやオフィスエリアには嵐山町周辺の自然の魅力や地域特性を活かしたデザインも取り入れている。当初100人~120人程度の人員でスタートし、200人程度まで受け入れ可能にする。

 24日の内覧会で太陽HDの佐藤英志社長・グループCEOは、「グループのエレクトロニクス事業売上高と太陽インキ製造の従業員数は、過去10年でともに2倍に増加した。事業をさらなる成長軌道に乗せるとともに、人的資本経営を実現して企業価値を高めるため、この施設を開設した」と説明した。

(26日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)