2024.04.26 京セラ、3月期連結はソリューション事業堅調
京セラの2024年3月期連結決算は、ソリューション事業が堅調だったが、コアコンポーネント、電子部品の両事業で受注減少の影響を受け減収、利益面で生産設備の稼働率低下、人件費の増加などにより最終的には減収減益に終わった。
コアコンポーネント事業は、半導体関連市場向けファインセラミックス部品などが増加したが、情報通信インフラ向けの有機基板やスマートフォン向けセラミックパッケージの市況軟化もあり前期比4%の減収。利益率も10.1%に低下。谷本秀夫社長は会見で「上期は(スマホ向けは)在庫が残る。下期に回復の見通し」と語った。
電子部品事業は、情報通信や産業機器向けコンデンサーや水晶部品において需要は底を打ったが、在庫調整が低迷して同7%の減収。構造改革費用などを計上したこともあり事業利益も減少。利益率は1.9%へ低下。
ソリューション事業はドキュメント、コミュニケーション両事業の販売が好調、サービスの需要増や円安効果もあり、同3%の増収。事業利益は、コミュニケーション事業において前年度に着手した構造改革に伴い発生した在庫評価減など約80億円の影響がなくなり、利益増加に寄与した。事業の利益率は6.5%へと好転した。
同社は新任の独立社外取締役候補者としてクアルコムジャパンのアドバイザリーチェアマン須永順子氏の起用を決めた。