2024.05.09 富士フイルムHD、3月期連結は売上高など最高

 富士フイルムホールディングスの2024年3月期連結決算は、メディカルシステムやイメージングが伸び、売り上げが前期比3.6%増、営業利益が同1.3%増、最終利益が投資有価証券評価益などもあり同11.0%増と、いずれも過去最高を更新した。

 事業別にはイメージングがインスタントカメラやデジタルカメラが好調に推移し大幅な増収増益だった。注力するヘルスケアはメディカルシステムやバイオ医薬品の開発製造受託(CDMO)が増収で、営業利益はCDMOやライフサイエンスの棚卸資産評価減など一時費用が発生し減益となった。

 材料などのマテリアルズ部門は半導体市況の停滞の影響を、買収した半導体用プロセスケミカルの販売で補い増収だったが、営業利益はM&A(企業の買収・合併)の費用が増え減益だった。ビジネス部門はデジタルトランスフォーメーション関連が増えたもののオフィス向けで欧米向け輸出の減少などが響き減収に。一方の営業利益は価格改定などにより増益だった。

 今期はヘルスケア、エレクトロニクスを中心とした事業の成長で売り上げ、営業利益ともに過去最高を目指す。最終利益は前年度とほぼ同水準を見込む。