2024.05.14 シャープ、3月期連結は2期連続で赤字 デバイス事業不振
シャープの2024年3月期連結決算は、ディスプレイデバイス(DP)やエレクトロニックデバイス(ED)などのデバイス事業が振るわず2期連続の赤字になった。オンライン会見で呉柏勲代表取締役CEOは「変化への対応に遅れた結果の連続赤字になった」と総括した。
売上高前期比2.7%減のブランド事業はスマートライフ&エナジーが国内で白物家電の需要低調、欧米で調理家電の市況悪化により減収。国内の美容家電は堅調、ASEANでエアコンも伸びた。スマートオフィスはオフィス機器が欧米を中心に堅調、パソコン(PC)も法人向けのプレミアムモデルが伸びた。一方で構造改革により欧州のPC事業から撤退している。PC事業やオフィスソリューション事業で高付加価値化したことでほぼ倍増の営業収益だった。
テレビなどのユニバーサルネットワーク事業はアジアで価格競争の影響を受け減収。一方で構造改革の効果が出て黒字化。
デバイス事業はDPでPCやタブレット市況の回復遅れ、スマホ向けパネルの需要低迷があり、大きく減収。営業利益も販売減が影響して赤字拡大。EDはセンサーモジュール、LCDドライバーともに減収、営業利益も経費節減や円安の影響で増加したものの販売減が影響して減益だった。
同社では2024年売上高は減収の見込みだが、「最終的にはなんとか黒字にこぎつけたい」(沖津雅浩副社長)としている。決算発表会では、子会社堺ディスプレイプロダクトの24年度上期中での生産停止が発表された。