2024.05.15 梅雨の部屋干しにも サーキュレーター新製品相次ぐ シャープが本格参入、量販店も自社ブランドで

4月に本格参入し、中高価格帯でのシェア獲得を狙うシャープのサーキュレーター

 部屋の空気を循環させてエアコンの効率を高めるサーキュレーター新製品の発売が、夏前に各社から相次いでいる。エアコンとの併用を推奨する動きもあり、専業メーカーをはじめ家電各社が製品群を拡充。家電量販店もプライベートブランドでの製品化に乗り出した。5000円前後の低価格帯モデルと1万円以上の中高価格帯モデルがある中、高機能モデルも増えてきた。シャープが本格参入するなど市場も活性化してきている。

 サーキュレーターは5000円前後の低価格帯モデルが中心だが、最近は1万~2万円の高機能モデルも増え、二極化傾向にある。サーキュレーターと扇風機の両方の機能を兼ね備えた製品も増えてきた。シャープの推定では、扇風機市場でサーキュレーターの比率は2019年まで10%台だったが、コロナ禍の20年以降は比率が高まり、23年は37%、24年には40%まで拡大するとしている。

 衣類乾燥に使うユーザーも増える中、4月以降、サーキュレーター新製品の投入が相次いでいる。

 10年に市場参入してから累計2000万台以上を販売してきたアイリスオーヤマは、リモコンで上下左右の首振り幅を調整して好きな角度に送風方向を設定できる「サーキュラーアイDC JET」を発売。市場で高いシェアを持つ山善は、同社初となる360度全方位に送風できる「サーキュレーターZERO」を投入した。

 扇風機とサーキュレーターを組み合わせた製品も増えている。

 ツインバードが発売した「サーキュレーション扇風機」は、直接風を浴びても心地よくなるよう設計を見直し、ジェット機エンジンを手掛けるターボブレード社と新開発した羽根を採用して1台2役を訴求。シロカもサーキュレーター扇風機をリニューアルし、優しい風から空気循環と衣類乾燥もできる強い風まで、1台で実現する新型を発売している。

 4月に本格参入したシャープが狙うのが、中高価格帯の市場だ。税込み2万4000円前後の価格設定で、フクロウの羽根の形状を応用したファンを新開発し、静かでありながら30畳程度の大空間でも使えるようにして差別化を提案する。  

 家電量販店のエディオンは、プライベートブランド「e angle」シリーズからDCサーキュレーターを発売。「衣類乾燥」「おやすみ」モードなどを備え、梅雨時期にも使えるマルチな機能を訴求する。