2024.05.17 山善が充電式家電の新シリーズ アウトドアで使える小型クーラーなど

6月から順次発売される家電シリーズ「エレイン」。小型クーラーは中央下

 山善は、リチウムイオンバッテリーを活用するコンパクトクーラーや扇風機などの家電シリーズ「ELEIN(エレイン)」を立ち上げた。省エネニーズや防災意識の高まりを受けて開発したもので、家電量販店やECサイトなどで計16アイテムを6月上旬から順次発売する。

 シリーズ共通で使えるリチウムイオンバッテリーと充電器を軸に、バッテリー4個で約2時間使えるコンパクトクーラーも発売する。アウトドアや工場、ビニールハウスなどで使える扇風機と工場扇、充放電の耐久性に優れるリン酸鉄リチウムイオン電池搭載のポータブル電源(2400Wクラスなど3タイプ)も製品化。一部はACアダプターも付属する。

 持ち運び可能なソーラーパネルとつなげば充電でき、連続使用時間を延ばせる。バッテリー対応の保冷温庫(容量35リットルなど3タイプ)、ポータブルの充電ステーションも発売する。

 電気料金値上げや消費者の節電・省エネ意識の高まりをはじめ、2011年の東日本大震災や能登半島地震など災害時への備えに対応するため、2年前から開発を進めていた。

 東京都内で15日に開いた発表会で、同社取締役の中山尚律・家庭機器事業部長は、大手電力10社の料金値上げや、東京都の新築住宅への太陽光パネル設置義務化などを受け、「省エネや節電を訴求する商品のニーズはますます高まる」と開発の背景を説明。日中に太陽光を有効活用(充電)し、場所や用途に応じて自在に使う同社初の「バッテリー家電シリーズ」のコンセプトと有用性を説明した。

 商品企画1部の村上幸輔氏は「バッテリー家電の特長であるコードレスの実現と省エネ・脱炭素、災害など有事での有用性をこのシリーズで展開したい」と語った。

 製品群はどれもコンパクト設計で、カラーはトレンドを意識し、アザーブルーの優しい色調を用いた。

 リチウムイオンバッテリーの価格は1万2000円前後、コンパクトクーラーは7万8000円前後をそれぞれ想定する。

 シリーズの初年度売り上げ目標は約5億円。3年後は20億円を目標にし、ASEAN各国やインド、アフリカなど海外展開も視野に入れている。