2024.05.29 全国的な梅雨入り目前 家電量販店がエアコン商戦に本腰 補助金も積極活用
夏商戦にむけ扇風機も多数展示(エディオンアミュプラザ長崎店)
全国的に気温の高い日が多くなり、各地の家電量販店ではエアコンや冷蔵庫に動きが出てきた。梅雨を前に、店頭では早めの購入を訴えている。
ヤマダデンキテックライフセレクト仙台あすと長町店(仙台市太白区)では、気温上昇や夏場の猛暑予想も影響し、例年に比べてエアコンの動きが早い。購入機種によってはサーキュレーターのプレゼントも行っている。横串暢剛店長は「省エネへの関心も高く、エアコンの動きは例年以上に早い。今後さらに伸びるとみている。夏用寝具などの動きも目立ってきている」と話す。
ヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京都千代田区)では、東京都が実施している補助金制度「東京ゼロエミポイント」の活用を提案。エアコンでは、買い替えや複数台の購入で、ポイントカードのポイントアップキャンペーンを行っている。ゼロエミポイントと合わせることでお得感を演出する。勝田泰幸マネージャは「お客さまは電気代の高騰に敏感。冷蔵庫でも新機種に買い替えると1年間でどれだけ節約できるかをPOPなどで表示し、節約のイメージがしやすいように心掛けている」と話す。
エディオン名古屋本店(名古屋市中村区)はエアコンや冷蔵庫の販売を強化している。4月末から30度近い気温となった日があったほか、光熱費のさらなる高騰で、省エネ型エアコンの早期販売に拍車がかかっている。寒くなりすぎない除湿機能が重視されるとともに、サーキュレーターのような空気を循環させて節電効果を高める商品の併用が一般的になってきた。三菱電機やダイキン工業が人気だ。
エディオンアミュプラザ長崎店(長崎市)では、気温が高くなってきたこともあり扇風機や除湿機など夏物商品の動きに期待する。冷蔵庫、エアコン、照明、エコキュートを対象とする長崎市の省エネ補助金の第2弾が4月にスタートした。昨年12月から3月末までの第1弾では冷蔵庫やエコキュートなどの買い替えの前倒し購入につながっており、エアコンや冷蔵庫の販促に補助金を生かそうと、店頭でも補助金のお知らせを大きく掲示している。
設置条件も注視
上新電機南津守店(大阪市西成区)は夏商戦に向け、省エネ性の高いエアコンの販売に注力している。国の補助金「子育てエコホーム支援事業」を活用し、リフォームと組み合わせて提案していく。
子育てエコホーム支援事業の申請は、対象商品の補助額の合計が5万円以上になる必要がある。エアコンを購入した来店客には補助金の活用と節水トイレのリフォームを勧めている。松島雄大副店長は「補助金があるならリフォームもというお客さまもいるが、エアコンが対象になることを知らない人は多い」と指摘。提案時に話をすることで補助金の認知度を上げ、成約につなげていく。
ベスト電器福岡本店(福岡市中央区)では「エアコンは暑くなる前に買い替えるお客さまが増えてきた」といい、消費者側にも早めに買い替える流れが出てきているという。昨年10月に石綿対策が強化されたため「エアコン設置時に新規に穴開けが必要か」など、客からの聞き取りには注意するよう、他フロアからの応援にも周知している。