2024.06.27 【複合機&プリンターソリューション特集】エプソン販売 スマートチャージ好調 コンパクトな新製品も発売

LM-C400

 エプソン販売は、プリントやコピーの使用状況に合わせてプランや機器を選べる「エプソンのスマートチャージ」が好調に推移している。福田雄一郎販売推進本部副本部長は「ペーパーレス化などを背景に、市場環境は厳しいが、2023年度も2桁の伸びで推移した。引き続き24年度も2桁成長が目標」と語る。強みとする文教市場では、GIGAスクールのリプレース需要、オフィスも企業の環境意識の高まりなど好材料となっている。

 同社は、環境性能に優れたラインインクジェット複合機で攻勢をかけている。高速機帯の75枚機(印刷スピード/分)、100枚機(同)の「LXシリーズ」に加え、昨年からオフィス市場の中心ゾーンである中速機帯(40~60枚)の「LMシリーズ」を本格投入。これで低速機帯「PXシリーズ」を含め、24~100枚/分までフルラインアップしている。

 新製品では、5月にA4カラーラインインクジェット複合機「LM-C400」を投入した。ラインヘッドを搭載し、印刷速度40枚/分の高い生産性を実現。圧倒的な低消費電力とCO₂排出量削減など優れた環境性能を特徴としている。A3複合機の高生産性はそのままに、幅465ミリメートル、奥行き516ミリメートルのコンパクト化を図っている。

 「さらなるコンパクト性を実現したことで、オフィスに加え、病院やレセプションや小売業の店舗のカウンター用途の引き合いが増えている」と福田副本部長は話す。

 24年度も「高速機帯を中心に、文教市場を強化する一方、オフィス市場は環境アセスメントサービスと連携、中速機帯で攻勢をかけていく」戦略だ。

 文教市場向けに展開している「アカデミックプラン」は、小学校や中学校などの学校現場を対象に教員の働き方改革、教育の質の向上を目指している。全国各自治体の教育委員会とも緊密な連携を取っており、導入率も高くなっている。同社のアカデミック専任部隊と全国地場の販売パートナーとの連携も成果を挙げている。

 「スマートチャージの導入で、生産性の向上、先生方の働き方改革、教育の質の向上にもつながっている」と福田副本部長は話す。GIGAスクールのリプレース需要もあり、文教市場向け戦略で一段の攻勢をかける。

 地方自治体への導入も活発。北海道長沼町役場では、スマートチャージを導入、約40台の機器を8台に集約、管理工数と費用の大幅削減、印刷コストの削減を実現しているが、こうした事例を増やしていく。

 オフィス市場戦略では、オフィスで最も需要の多い中速機帯のA3カラーインクジェット複合機で、攻勢をかける。「低消費電力、省資源化などオフィスでの環境価値を訴求」し、パートナーとも連携、出力環境アセスメントサービスにも力を入れる。

 また、医療現場に対しても生産性や環境面に加え、BCP(事業継続計画)の観点からも訴求していく方針だ。