2024.06.29 夏の「生ごみ」異臭対策 冷凍ごみ箱で解決へ 新潟SANKAが新製品

生ごみを凍らせて異臭の発生を防ぐ「CLEAN BOX」SCB-020

 全国的に梅雨入りし、本格的な暑さとともに不快指数が高まる一方、沖縄・奄美では昨年よりも早く梅雨が明けた。猛暑への警戒を含め、熱中症対策を呼びかける報道が増える中、見落としてはならないのが、台所のシンクやごみ箱から発生する生ごみの異臭だ。

 気温が高くなる夏場は、水分の多い生ごみの腐敗が急ピッチに進み、異臭の原因になる。生ごみが発生したら素早く対処すべきだが、ごみ箱に捨てるだけでは異臭を消しにくい。そんな悩みを解決してくれる家電の1つが、ごみを凍らせる冷凍ごみ箱だ。

 新潟の家電メーカーSANKA(新潟県三条市)は7月1日、冷凍庫のように生ごみなどを凍らせる“冷やすごみ箱”の新製品「CLEAN BOX(クリーンボックス)」SCB-020を発売する。

 金属加工などを主力とするSANKAはコロナ禍の2022年1月に家電市場に参入。加湿器や空気清浄機などを製品化してきた。

 クリーンボックスは昨年6月から販売を開始。それまで開発・販売を行ってきた中西金属工業(大阪市北区)から販売を引き継ぎ、SANKAの家電ラインアップに加えていた。今回の新製品は、引き継いだ製品をブラッシュアップした形だ。

 クリーンボックスの容量は20リットル。マイナス11度で凍らせることでごみの腐敗を予防し、臭いの発生を回避する仕組みだ。ファンレスであるため静かである上、ふたが一定時間空いていると通知してくれる。ごみがいっぱいになっていると、きちんと閉めたつもりでいてもわずかにふたが空いていることがあり、それに気づかせてくれる便利な機能だ。もちろん、冷蔵庫と同じように、庫内の温度が上がるのを防ぎ、電力消費量の無駄も省ける。

 クリーンボックスは、1kW時当たりの電気代が31円の計算で1日10.6円。年間では約3860円で済むと同社は試算している。

 従来品はステンレスカラーしかラインアップはなかったが、新製品ではホワイトとブラックを追加。住環境のインテリアに合わせて選びやすくなった。

 また、従来はごみ袋をセットしにくいという課題があったが、それを改善。取っ手に引っ掛けるだけでセットできるようにし、使い勝手を向上。基本は可燃ごみを捨てるごみ箱であり、キッチンに置くケースが多いと見て本体下部に樹脂製のプロテクターも搭載。キャスターが付いているため移動しやすい半面、足をぶつけるといったケガにつながる事態を避けることにも配慮した形だ。

 価格は税別6万3000円前後を想定。ごみ箱としては高額だが、生ごみ以外も捨てられる上、異臭が出なければ、嫌な虫の発生も防ぎやすい。ルームエアコンなどで暑さを和らげるだけでなく、ひと夏を快適に過ごすためには、こうしたことも一考したいところだ。

3色のカラーバリエーションをそろえた