2024.07.09 【家電総合特集】レコーダー 多ch録画モデルが中心 専用機ならではの機能搭載

専用機ならではの機能を訴求し、需要を発掘していく

 ブルーレイディスク(BD)やハードディスクドライブ(HDD)を搭載した国内のBDプレーヤー・レコーダーの市場は減少が続いている。動画配信サービスの拡大やテレビの録画機能を使う消費者が増えていることも背景にある。今後も市場は縮小傾向にあるが、専用レコーダーならではの録画や番組持ち出し機能などがあるため、買い替え、買い増しを中心にした需要の取り込みが求められる。

 国内のBDプレーヤー・レコーダーの需要は、2023年は前年比27.0%減の130万台だった。プレーヤーよりもレコーダーの方が減少幅は大きく、この先もレコーダーの下げ幅が大きくなるとみられる。一方のプレーヤーは4K対応のBD規格「ウルトラHDブルーレイ」対応機種などに需要があり、映画コンテンツを高画質高音質で視聴する底堅い需要に支えられ、落ち込み幅は小さい予測だ(電子情報技術産業協会〈JEITA〉)。

 現在、国内でBDレコーダーを開発販売しているメーカーは、パナソニック、ソニー、シャープ、TVS REGZAなどで、各社の製品は2チューナー/3チューナーといった複数チューナーを内蔵。地上デジタル放送やBS・110度CSデジタル放送などの複数チャンネルの同時録画ができる「多チャンネル録画」モデルが中心になっている。

 複数チューナー搭載モデルは、地上デジタル放送の同時2チャンネル録画や地上デジタル放送とBS放送の同時録画もできる。3チューナー搭載モデルは同時録画できる番組数が増え、通常の番組を視聴しながら録画できる番組数も増やせる。

 上位機では放送番組を丸ごと録画する〝全録〟モデルがあり、地上デジタル放送をはじめとした放送番組を一定期間全て録画し、好きな時に楽しめる。上位機には好みに合わせ好きなジャンルや好きなタレントが出ている番組を自動録画する機能などもあり、多彩な録画ができる。メーカーによっては連続ドラマを自動で録画するモデルなどもある。

 ■ネット接続で付加情報

 インターネットに接続することで人気録画番組ランキングを表示できるものもあり、機能面だけでなくネット接続によって得られる付加情報を訴求する動きもある。ネット接続することで、外出先でもスマートフォンなどで録画番組が楽しめる宅外視聴ができる機種やカーナビゲーションシステムと連携し、ドライブ中に録画番組が見られる機種もある。

 この数年は多くのテレビに録画機能が付き、テレビの録画で済ませる人も多いため、購入層が限定的になっている。ただ専用のレコーダーにしかできない機能もあるため、いかに録画視聴の楽しさを訴求できるかが課題になっている。