2024.07.12 【電子部品技術総合特集】研究開発の取り組み NKKスイッチズ 大貫一光開発本部長兼生産本部副本部長

大貫 本部長

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品質第一で取り組む

マーケットインで企画・開発

 NKKスイッチズは、コーポレートスローガンとして、「品質のあくなき追求」をモットーに掲げている。大貫一光開発本部長兼生産本部副本部長は、同社の研究開発方針について、「全社方針に沿って、開発部門でも、『品質第一』を方針に取り組んでいる。そして、プロダクトアウトではなく、マーケットインを方針に、顧客、市場との連携を密にしながら、商品企画や開発を進めている」と話す。

 同社は、2022年度(23年3月期)からスタートした中期経営計画(3カ年)での目標として、「信頼し、信頼される良い会社」の実現を目指している。「社内外にかかわらず、信頼される企業になり、信頼される製品を提供していく」(大貫本部長)。

 同社は重点方針の一つに、「モノ売りからコト売りへ」を掲げ、ソリューションビジネスの強化を進めている。スイッチ単品開発に加えて、「ヒューマンマシンインターフェース(HMI)スイッチテクノロジーズ」をポリシーに、スイッチで培ってきた技術を活用することで、顧客の困り事の解決に努めている。

 スイッチソリューションでは、表示サービス、ハーネス加工、パネルへの取り付け、ユニット機器への組み込みなどさまざまなサービスメニューを用意しており、「当社のスイッチを購入した顧客のプロセス的な困り事を解決するため、製品だけでなく技術を提案してコトとして売ることに努めている」(大貫本部長)。

 新商品開発では、極超小形ディップロータリースイッチ「FD01/02シリーズ」(リードスルー形/面実装対応形)を今年2月に発表した。製品サイズは7.2ミリメートル角、高さ3.3ミリメートルで、高密度実装が可能。機器の省スペース化に貢献する。

 今後も、中期経営計画に沿って、特定市場や特定の顧客が必要としているニーズへの対応を目指して新商品開発を進める。「今だけでなく、先々を見据えた商品開発に取り組む」(大貫本部長)。注力している分野としては、放送・音響関連や医療関連、特殊車両などがある。

 同社は、開発は全て日本で行うが、北米や欧州など地域ごとの特定の顧客や市場のニーズに的確に対応していくため、各海外販社との情報交換など連携強化に努めている。

 同社は23年12月に創立70周年を迎えた。