2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】サンワテクノス FA・工作機械など中心、海外でも横串戦略を推進

松尾 社長

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 サンワテクノスは、2030年度に向けた長期ビジョン「Sun-Wa Vision 2030」を策定し、これを踏まえ2022年度から第11次中期経営計画「SNS2024」(3カ年)を推進中。23年度(24年3月期)は、客先在庫過多などが響き減収減益となったが、中計目標は達成した。

 松尾晶広社長は最近の事業環境について、「FA・産機市場での在庫調整が継続しているが、徐々に回復してきている感触もあり、良い方向に向かうと考えている。24年度の営業利益を当初の中期計画目標から修正したが、修正目標からは上振れ可能な環境にあるとみている。新規案件発掘活動の成果を期待している」と説明する。

 24年度方針は「グローバルサプライチェーンのプロフェッショナルとして『つながり』と『信頼』でものづくりの未来を支える」。中計方針に沿って顧客セグメント戦略を強化しており、「各セグメントに精通した営業パーソンが横串として活動し、成果が表れてきた。現在は国内中心だが今後はFA・工作機械などを中心に海外での横串戦略も進める」(松尾社長)。

 同社は昨年、エムテック(北九州市八幡西区)と業務提携し、協業により仮想空間を活用したデジタルマニュファクチャリングを実現するロボットソリューションパッケージ「3D Connectシリーズ」を開発。第1弾として「AR^2 System(エーアール・ツー・システム)」を販売開始した。メーカー標準にパッケージを付加することで、容易にロボット導入が可能となる。

 「今後、市場が立ち上がってきた際に各業界で人手不足が課題となる恐れがあり、自動化がポイントになる。ロボットソリューションパッケージを核に、人手不足に対応する自動化ビジネスを新たな柱にしていく」(松尾社長)。

 海外戦略では、米中摩擦などを考慮し、中国からASEANやインドなどに生産移管を進める顧客への支援体制を整える。同社はアジアで28拠点体制を構築しており、ASEAN主要各国のほか、今年5月にはインドに2拠点目となるグルグラム事務所を開設した。今後は韓国拠点開設なども検討する。