2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】コアスタッフ 新サービス開始、新物流センターも稼働

戸澤 社長

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 コアスタッフは、Web販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに、事業拡大を続けている。一部の分野では在庫解消が進みつつも、まだまだ市場は停滞感が漂う。厳しい市場環境の中、新たなサービスを開始するなどし、顧客への提案に力を入れる。

 同社は、「WEB-MPI」サービスを6月末から開始した。同サービスは同社の通販サイト「コアスタッフオンライン」で3カ月間在庫を確保できる。確保した在庫は、確保数量内で必要な時に必要な数量で購入が可能となる。

 確保期間中の価格変動はなく、顧客と取り決めた価格が固定単価として適用される。確保期間が経過した在庫は、自動的に確保が解除され、通常のオンライン在庫として販売される。顧客側に引き取り義務は生じない。

 戸澤正紀社長は「多くの顧客が在庫を抱え、この数年は最終ユーザーからのフォーキャストが出ていないケースも多い。徐々に在庫解消が進み、急なオーダーが入る可能性が出てきた。その一方でさらに在庫を抱えるリスクは取りづらく、困っている顧客は多い。一つの対策としてWEB-MPIを活用してほしい」と話す。

 新サービスの開始とともに、新たな製品の取り扱いも拡充している。今年に入り、日本端子、イリソ電子工業、オータックスの製品取り扱いを開始。現在、70メーカー、5万8000品種の在庫を抱える体制となった。

 昨年から国内外で進めている物流体制の強化も着実に進む。今年8月には長野県佐久市に2022年12月から建設に着工していた新物流センター「Zero Hub(ゼロハブ)」が稼働を開始する。ゼロハブの稼働開始により、WEB-MPIや新規商材の拡充など、積極的なサービス拡大に取り組む。

 課題の多い物流業務と購買業務を組み合わせて受託するサービス「PLOS(プロキュアメント・ロジスティック・アウトソーシング・サービス)」も充実させる。

 戸澤社長は「市況はまだら模様ながら、緩やかに回復に向かうと見込む。ゼロハブ含めこれまで強化してきた社内体制を生かし、ビジネス拡大に取り組む」と意気込む。