2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】丸文 デバイス、システム、ソリューションの3事業を連携し展開

飯野 社長

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 丸文はデバイス(半導体、電子部品)、システム(医用、レーザー、産業、航空宇宙などの機器)、ソリューション(AI〈人工知能〉・ロボティクス、ICTソリューション)の3事業を展開している。主力のデバイス事業について、飯野亨社長は「基盤強化事業と位置付け、高付加価値商材の開発により、グローバルでの業容拡大を進めてきた。2023年度は民生機器向けが好調で、24年度に入っても好調さは持続している」と説明する。

 システム事業は成長けん引事業として、既存ビジネスに加えて、新規領域・新規市場での収益基盤の拡大を目指している。昨年度は、画像診断装置や放射線治療装置などの医用機器が伸長した。

 ソリューション事業は価値創造事業として立ち上げた。デバイスやシステムの事業で蓄積した知見を生かす。パートナーとの資本・業務提携やライセンスビジネス、サブスクといった新たな販売手法も活用して事業の立ち上げを促進している。3月には医療・介護市場向けにAIを搭載したコミュニケーションロボットの取り扱いを開始。AI搭載のヒューマノイドロボットは現在、バージョンアップが進行中だ。

 飯野社長は「国内外で約3000社超のお客さま、仕入れ先は海外を含めて800社超あり、鮮度の高い多くの情報を蓄積している。それをビジネスに変えていく。三つの事業が、うまく連携を取りながらビジネスを展開していければ」と展望する。

 海外戦略では日系企業のASEAN地域へのシフトをフォローしつつ、インド市場の動向も注視する方針だ。

 人材の育成・活用では4月に人的資本戦略委員会を新設。人材の採用と活用、研修制度、働き方改革などの取り組みを強化していく。

 同社は今年、創業180年を迎えた。飯野社長は「呉服問屋からの創業以来、顧客第一主義を貫き、常にお客さまが必要とするモノ(技術や製品、情報、サービス)を独立系商社として徹底して追求し、提供してきた。ソリューションプロバイダーとしてさらに磨きをかけ、エレクトロニクス業界になくてはならない唯一無二のオンリーワン企業を目指していく」と述べた。