2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】RYODEN 新ブランド立ち上げなど「事業創出会社」に向け施策
富澤 社長
RYODENは「事業創出会社」に向けた施策を着々と打ち出しており、2月にはオリジナル製品群の事業ブランド「RYODEN Tii!」を立ち上げた。富澤克行社長は「ハードウエアのコモディティー化が進む中、単に製品の優位性をアピールするだけではお客さまの価値創造にはつながりにくい。新たな視点で技術を組み合わせる仕組みを構築することでカスタマイズを実現するなど今までにない提案を進めていく」と説明する。
製品群の一つである統合監視制御システム「Remces」は中堅メーカーからの引き合いが増加しており、多くの新規取引先を獲得している。7月に横断的な部署「RYODEN Tii!事業推進グループ」を設けた。東京、大阪、名古屋の拠点に専担者を配置し、営業活動を強化する。
基幹事業では、FAシステムは中国の半導体製造装置メーカー向けが堅調。冷熱ビルシステムは国内の再開発に合わせて案件を獲得。地方での再開発でもビジネスは順調だ。
クロステックでは、スマートアグリ事業の黒字転換を見込む。電気代の高騰を背景に苦戦していたが、製造方法の見直し、プロダクツの高付加価値シフトが奏功する。
エレクトロニクスでは、3月にルネサスエレクトロニクス製品の取り扱いと販売を終了したが、パワーデバイスやセンサー、高付加価値製品の提供で規模回復と高収益化を見込む。
海外では、タイが半導体事業に加え、FAや冷熱も好調。富澤社長は「FAはシステム対応で拡大してきた。陣容の拡大とともに現地SIなどパートナー戦略を強化する」と事業拡大を進める。
信州大学とともに、撥水(はっすい)性などの機能を付与できるレーザー加工機を開発した。バイオミメティクス(生物模倣技術)の専用加工機としては世界初で納品も開始している。
技術開発・応用実証拠点「RYODEN-Lab.」は2月に開設した。富澤社長は「新事業創出を技術面からサポートする。お客さまの評価も高く、出足としては好調」と説明する。大手自動車メーカーの新事業推進担当者が視察に訪れており、共同開発も視野に入る。