2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】ロチェスターエレクトロニクス 供給できるメーカーや製品を拡充

藤川 代表

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 ロチェスターエレクトロニクスは、世界の主要半導体メーカーが生産を中止した(EOL)製品をオリジナルメーカーに代わって継続的に供給する半導体メーカーおよび代理店。

 EOLビジネスと、代理店としてサプライヤー製品を取り扱う現行品ビジネスの2事業を柱とし、グローバルで事業拡大を続けている。

 在庫過多の状況が続き半導体需要が伸び悩む中、同社の現行品ビジネスも勢いを欠く。その一方でEOLビジネスは堅調に推移している。コロナ禍を経て、半導体メーカーは新規開発を加速させるなど製品戦略を見直し、旧来製品の製造中止が増加傾向にあるためだ。

 日本オフィスの藤川博之代表は「製造中止品が年々増え、悩みを抱える顧客は多い。今後、供給が継続されるか懸念される製品も増えており、顧客側にも戦略的な管理手法が必要。そうした課題の解決策として当社を頼る顧客が増えている。顧客の期待に応えるため、供給できるメーカー・製品を拡充している」と話す。

 昨年9月、米セムテックのミックスド・シグナル製品の提供を開始した。今年3月にはインテリジェントメモリ、6月にはユーブロックスとパートナーシップを締結し、現行品・EOL品とも幅広い製品の供給体制を構築してきた。

 既存パートナーの製品も拡充しており、アナログ・デバイセズのRFデバイスやNXPセミコンダクターズのマイコンなど供給可能な製品を増やしている。さまざまな分野で採用実績も多いルネサスエレクトロニクスのマイコン「SuperH」なども提供を始めた。東芝デバイス&ストレージについては6月時点で累計2900万個の在庫をロチェスターが保有。現在、本格的な拡販に取り組んでいる。

 「産業機器分野で多く使用される製品を中心にポートフォリオを拡大してきた。今後も新たなパートナーを増やし、さらなる製品拡充につなげる」(藤川代表)。

 今後は再生産も含めたソリューション展開に力を入れる。米国本社工場にある後工程ラインへの投資も行い、各種パッケージへの対応を進めている。