2024.07.31 三菱電機、4~6月連結は売上高過去最高 インフラ分野拡大など
三菱電機の2025年3月期第1四半期(24年4~6月)連結決算は、FAシステムで需要停滞があったものの、社会システムや電力、防衛・宇宙などのインフラ分野の拡大と円安の好影響で前年同期比5.4%増収となり過去最高を更新した。一方で営業利益はFAシステムの減少や調達コストが上昇したことなどが響き同3.8%減だった。
足元の市場環境をみて通期連結業績の売上高見通しを900億円上方修正した。会見した増田邦昭常務執行役CFOは「想定以上の円安を織り込むとともに、FAシステムの市況回復時期見通しを当初の第3四半期から第4四半期に見直した」と述べた。
事業別では、インフラ分野が増収増益と堅調だった。社会システムは交通事業や海外向けUPS(無停電電源装置)事業が増加したほか、国内外の電力流通事業が増加した。防衛システムの大口案件の増加も貢献した。ライフ分野は増収減益だった。ビルシステムが国内のリニューアル増や円安の好影響で増収増益だったが、空調・家電は国内やアジア向けの空調が増えたものの素材価格の高騰などで増収減益となった。
インダストリー・モビリティー分野は自動車機器が国内を除く全ての地域で堅調に推移した。電動化や先進運転支援システム関連も伸びた。一方でFAは、中国のスマートフォンや工作機械関連が良かったもののリチウムイオンバッテリーなどの脱炭素関連分野で停滞し苦戦した。ただ「回復の兆しは見えている」(増田CFO)とし、下振れリスクが最小になっていることを強調した。
円安の好影響もあり海外売上高は拡大した。国内以上に海外が伸び海外売上高比率は3年連続で第1四半期で過去最高となった。