2024.08.09 【コネクター特集】クラレ ジェネスタ、車載用などで実績拡大

 クラレは、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を事業化し、電気・電子分野のコネクター向けや、自動車関連(車載電装、自動車耐熱部品)を中心に実績を拡大している。

 ジェネスタは同社が世界で初めて工業化したノナンジアミンを使用したポリアミド樹脂(PA9T)。耐熱性、低吸水性、耐薬品性など優れた特徴を持つ。

 優れた耐熱性(融点306度と高く、高温時物性に優れる。はんだ耐熱性270度)と低吸水性により、表面実装時のブリスター発生を防ぐ。摺動(しょうどう)性や成形性などにも優れており、これらの特性が評価され、年々販売規模を拡大している。

 用途別では、自動車のEV化が進む中でEV向けの採用がグローバル各地域で増加。特に耐熱性、低吸水性、高強度、加工性の高さなどが評価され、熱マネジメント関連を中心に、高電圧部品、電子制御などで採用が広がっている。

 電気・電子用途では、ジェネスタの低吸水性および高強度特性を強みに、5G通信基地局や生成AI関連のデータサーバー用のDDRコネクター向けなどの販売に力を入れている。

 ジェネスタ事業では世界10カ国・13拠点に販売や技術サービスの担当者を配置。国内では技術開発拠点「つくば研究センター」による顧客との協創を推進しており、海外でもCAEサービスをはじめとする技術開発拠点の検討を進める。

 生産体制拡充では、初の海外工場となるタイ新工場が完成し、2023年2月に稼働を開始した。これにより、安定供給体制を強化している。