2024.08.09 【コネクター特集】イリソ電子工業 産機向けを車載に次ぐ第2の柱に

 イリソ電子工業は、モビリティー市場や産機市場、コンシューマー市場を事業拡大に向けた柱と位置付け、積極的な新製品開発と生産体制強化を進めている。

 2024年度(25年3月期)からの新中計では注力分野を「モビリティ分野」と「インダストリアル分野」に定め、車載で培った技術をモビリティー全般に展開する。産機向けは車載に次ぐ第2の柱として確立させる。

 同社は独自のフローティングテクノロジーを採用した3次元可動BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」を拡充。接点が固定されたままZ軸が可動する構造で、耐振動性、耐衝撃性に優れる。振動(共振)・衝撃によるはんだ付け部のストレスを緩和。

 新製品ではパワートレイン用高電流コネクターや、高速伝送用コネクター開発に力を注いている。パワートレイン系では「3次元可動BtoBコネクター」と「振動シミュレーションサービス」を組み合わせた「耐振ソリューション」を展開。振動シミュレーションサービスにより顧客機器の耐振性を評価し、問題点の早期把握と対策の提案を行って高い評価を得ている。

 10143シリーズは、25ギガbpsの高速伝送とフローティング機能を両立させた0・5ミリピッチ基板対基板(BtoB)コネクター。X-Y方向に0.8ミリメートル可動。基板間の位置ずれを吸収し複数接続時のアライメント調整を容易にする。OIF CEI-28G-SR規格で25ギガbpsの検証を完了。大きな可動域でのフローティング機能ながら史上最高クラスの高速伝送が可能。