2024.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】各社の事業戦略 MODE 上田学CEO

▶画像ギャラリーへ

IoTと生成AI融合

新機能を続々追加し現場支援

 IoTプラットフォームに特化したサービスを米シリコンバレーと東京の2拠点で事業展開している。主力のクラウド型IoT基盤サービス「BizStack(ビズスタック)」は、デバイスや車両、ロボット、産業機器などのデータの収集から、蓄積、活用までトータルでIoTサービスを提供する。

 今年前半戦は、ビズスタックに対話型生成AI(人工知能)を組み込んだ「BizStack Assistant(アシスタント)」を5月に正式リリースし、良いスタートが切れた。

 ビズスタックに集積された大量のデータから、生成AIが利用者に必要な情報だけを抽出して、チャットで質問すると自然言語で回答してくれる。強みであるIoTとAIを組み合わせたことで、スマートフォン一つで現場の状況を把握できるようになった。建設業界を中心に導入が広がり、手応えを感じている。

 施工・図面管理アプリを提供するスパイダープラスと業務提携し協業を進めているほか、マイクロソフトのTeamsが中心だったチャット機能も拡充を図る。新たにビジネスチャットを展開するLisB(エルイズビー)の主力ツール「ダイレクト」にも対応できるようになる。

 9月からはセーフィー社のクラウド録画サービス「Safie」とのシステム連携も始まり、さらに活用の幅が広がっていく。

 新たに不動産やビル管理に注目している。ビルなどの大型施設は多数のカメラやIoTセンサーで異常検知や状況把握が行われており、ビズスタック・アシスタントを使えば全て遠隔で管理できるようになる。

 問題が起こった場合でも、言葉で指示すればリアルタイムに現場の画像を映してくれるほか、機器の説明書も表示して現場をサポートしてくれる。

 施設・設備系にとどまらず、製薬会社やデータセンター、倉庫などさまざまな業界で課題となっている人手不足の解消の切り札になると考えている。

 センサーメーカーにデバイスを登録してもらい、導入したい企業とつなぐ「センサーパートナープログラム」も進めている。パートナーとして約50社が参画し、導入したい現場の状況に合わせたIoT機器を提供できる体制も整ってきた。

 後半戦に向けては点検、メンテナンス業務の支援のために、毎月、新機能を追加していきたい。データ分析も強化する。

 今年は日本支店設立7周年を迎え、東京オフィスを移転した。9月5日には東京ミッドタウン日比谷でカンファレンスを開催する。当社の各種サービスを知ってもらう場にしたい。