2024.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】各社の事業戦略 ユニリタ・北野裕行社長

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顧客とのつながり再強化
データとサービスを前面に

 2026年度に売り上げ140億円、営業利益14億5000万円、ROE(自己資本利益率)8.8%を目指す中期経営計画「Re.Connect(リ・コネクト)2026」をスタートした。クラウドが普及する中、260社で構成するユーザー会や370社以上が賛同するシステム管理者の会を持つ当社の強みを生かすためにも、もう一度、お客さまと直接つながろうという思いを込めた。

 パッケージソフトなどの「プロダクトサービス」「クラウドサービス」、コンサルティングやアウトソーシングなどの「プロフェッショナルサービス」の3事業を軸に展開する中、前中計ではサービス提供型事業への移行、クラウドサービスの拡大に取り組んできた。クラウドをプロダクトの次の柱に育てようとサービスメニューを強化してきたが残念ながらクラウドは赤字を残してしまった。半面、グループ会社含め成長はできた。

 リ・コネクトには、お客さまだけでなく、パートナー、社員など、あらゆるステークホルダーとつながり直していく意味もある。当社はサービスマネジメントとデータマネジメントの両方を持つことが大きな強みになるため、両面から企業が求めているデータドリブン経営を支援する。

 プロダクトサービスでは引き続きパッケージなどのサービス化を進めるとともに、顧客システムのマイグレーション(新環境移行)を支援していく。クラウドは企業のIT部門向けに加え、今後は、事業課題を解決する事業推進クラウドと社会課題を解決するソーシャルクラウドを強化する。

 特にサステナブル(持続可能な)経営をしていく中で、グループのユニ・トランドの地方創生の取り組みが重要であり、コミュニティーMaaS(モビリティーサービス)を今後確実に成長させていきたい。既に事例も出てきている。事業推進クラウドではカスタマーサクセスを支援する「グローウィング」をさらに成長させる。

 新規事業創出にも継続的に取り組む。グループで「ペンギンチャレンジ」を年2回行い、アイデアを公募して事業化を検討している。このチャレンジから生まれたサービスも多くあるため、引き続き強化していく考えだ。生成AIにも取り組み始めている。製品やサービスへの組み込みだけでなく、当社は自動化の技術が強いため、AIを活用して何ができるか検討している。

 今年度は営業部門と事業部門のリ・コネクトもしていく。データとサービスをマネジメントできる強みをきちんと説明できるようなホワイトペーパーを作り、お客さまにデータを使いこなすためのサービスマネジメントの必要性などを分かりやすく示していきたい。