2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】カトーレック グローバルプラットフォーム追求

カトーレックベトナム工場

宇田 本部長宇田 本部長

 カトーレックはEMS事業とロジスティクス事業を展開し、EMS事業が売り上げの約70%を占める。EMS製造拠点は国内(高松、松山)、中国(蘇州、広州)、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、メキシコ(ティファナ、グアナファト)、インド(プネー、合弁)の合計9カ国12拠点を設けている。

 各工場は多品種少量生産にも対応できる生産体制を築き、いずれの工場で生産しても同一品質・サービスを提供する「グローバルプラットフォーム」を追求する。生産品目は家電・事務機器、車載関連機器、住宅設備、産業機器、医療機器、航空・宇宙と幅広い。

 宇田昌弘取締役専務執行役員EMS事業本部長は、ASEANについて「中国の比率を落とすという、お客さまの流れが起きている。受け皿の一つとしてASEANが再び伸びている」と語る。

 また、顧客サイドは在庫調整局面からの回復期に当たる。全体の業況は堅調で、中でもフィリピン、ベトナム、インドネシアは好調に推移。生産品目により回復に濃淡はあるが、今後は新製品の立ち上げもあり持続的な成長をもくろむ。

 事業強化を着実に進めている。国内では新高松本社工場(高松市)の建設が進む。敷地面積は約1万840平方メートル、鉄骨造4階建てで延べ床面積は約2万1640平方メートル。2025年2月末の竣工(しゅんこう)を予定する。

 車載を中心とした回路設計、シミュレーション技術を持つアルティメイトテクノロジィズ(長野市)の株式83.7%を2023年5月に取得し、デザインイン(顧客との共同開発)の側面を強化した。一方で、量産を見据えた技術力・部品提案力の向上のためにエンジニアの中途採用を進めるとともに、4月には大手メーカー出身者を技術担当役員に採用した。

 宇田本部長は「当社はセットメーカーではないので、受託製造の役割の中で技術的なサポートをしていく。お客さまサイドには従来以上にEMSに任せたいという流れがあり、その要望に応えたい」と抱負を述べた。