2024.09.24 【九州・山口産業特集】人吉アサノ電機 無線式ピーク電力制御システムが伸長

無線式ピーク電力制御システム「エレワイズ」

 人吉アサノ電機(熊本県人吉市、浦川敬社長)は、電力の使い過ぎを監視するデマンド監視装置からの警報信号を無線で受けて、空調設備を自動制御する無線式ピーク電力制御システム「エレワイズ」が伸長を続けている。

 同社が自社で開発したエレワイズは、複数メーカーの空調設備が混在していてもまとめて管理ができることが強み。電力代の高騰やカーボンニュートラル、SDGsなど省エネルギー化を背景に、病院、学校、自治体、各種工場など幅広い分野で採用され、既に導入台数は2000台を超えている。

 主に九州島内を販路としているが、さまざまな導入効果なども前面に打ち出したホームページへリニューアルした効果もあって、九州以外からの問い合わせも増え、昨年比で2倍となっている。

 九州の工場での導入事例では、契約電力が586kWから最終的に494kWへ削減と、当初提案以上の削減効果を達成した。

 大型の病院では導入後、最需要電力が2340kWから2084kWに減少、契約電力自体を2600kWから2160kWに削減と、初期投資を半年で回収した上で長期的な削減にもつながっている。

 このほか地方市役所では最需要電力が262kWから237kWに減少し、年間4万9207kWhを削減と、こちらも1年超で初期投資額を回収できた。提携している福岡銀行など4行からの引き合いもあり、着実に導入実績を上げている。

 今年4月からは九州電力との協業が始まり、九州電力が提供する電力監視システムと、エレワイズがクラウド上で連携する。電力の見える化と制御ができ、電力の効率的な利用に貢献する。既に導入件数は11件に上り、大規模工場などいずれも大型案件で、来期はこちらでも伸長を見込んでいる。

 秋以降はサービス拡充を目的に、Webサービスを改修する予定。バージョンアップしてよりユーザーに使いやすい内容にしていく。