2024.10.01 「パナソニックが戻ってくる」 CES2025、楠見グループCEOがキーノート 基調講演は12年ぶり

パナソニックHDの楠見グループCEO(左)とCTAのファブリツィオ会長

CES2025では、AIやヘルスケア関連がテーマになると予想するCES2025では、AIやヘルスケア関連がテーマになると予想する

サステナビリティ―関連の技術展示もテーマになるサステナビリティ―関連の技術展示もテーマになる

 全米民生技術協会(CTA)は1日、来年1月に米国ラスベガスで開催する世界最大規模のテクノロジー見本市「CES2025」で、オープニングキーノートにパナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規グループCEOが登壇すると発表した。パナソニックの基調講演は13年の津賀一宏社長(当時)以来で、研究開発(R&D)や企業経営の分野でキャリアを築いてきた楠見氏の発表内容に注目が集まるところだ。

 「オープニングキーノートを行うことは、世界中の人と目指すところを共有するということ。世界中からフィードバクがもらえる」。同日、東京都内で開催した会見に登壇した楠見グループCEOは、こう力を込めた。

 パナソニックは1967年の第1回からCESに参加している。CTAのキンジー・ファブリツィオ会長も「最も革新的なパートナーであるパナソニックが、キーノートに戻ってくる」と歓迎ムード一色だ。

 パナソニックは13年の基調講演で、RGBオール印刷方式の56型4K有機ELディスプレイのほか、最新車載充電器などを備えた電気自動車(EV)コンセプトモデルや、旅客機向けエンターテインメントシステムなども紹介。B2B(企業向け)ソリューションにも基調講演の多くの時間を割き、B2Bへと事業戦略の舵を切る方向性を印象付けた。

 CESでの基調講演について、楠見グループCEOは「理想の社会に向けてパナソニックがさまざまな分野で挑戦を続けるパートナーと新たな変革のうねりを起こしていく」と述べ、社会の持続可能性を高めるための革新的なテクノロジーに焦点を当てて方向性を示すとした。

 アフターコロナとなり、CESも盛り上がりを見せている。今年は13万5000人以上が来場。スタートアップ企業向けの「ユーレカパーク」には過去最高の1400社が参加し、出展者も4300社以上の規模となった。ファブリツィオ会長は、生成AI(人工知能)をはじめ、デジタルヘルスやスマートホーム、サステナビリティ―、量子コンピュータなど会場でも話題となるテーマに言及し、「(CESには)イノベーションの全てがそろっており、そのペースを根本的に変える」とし、「(変革を起こすための)準備は整った」と力を込めた。